麹(こうじ)は日本の伝統的な発酵食品の要ですが、近年その健康効果が注目を集めています。特に、麹の抗酸化作用とアンチエイジング効果は多くの人々の関心を引いています。
麹とは何か
麹は日本の食文化に深く根ざし、1300年以上の歴史を持つ発酵の要です。平安時代には高級調味料として珍重され、江戸時代には庶民の生活にも浸透しました。
麹は、穀物や豆類を発酵させるために使われる微生物の総称です。日本では主に「米麹(こめこうじ)」が知られていますが、その他にも大豆麹や麦麹など、さまざまな種類があります。これらの麹菌(アスペルギルス・オリゼーなど)は、食品の発酵過程で重要な役割を果たします。
麹が使用される代表的な食品には、味噌、醤油、日本酒、そして最近では発酵食品としての健康効果が注目されている甘酒などがあります。これらの食品は、麹菌の働きによって酵素が生成され、栄養成分が分解されることで、消化吸収が良くなるとされています。
麹の驚くべき抗酸化パワー
抗酸化作用とは、体内で発生する「活性酸素」と呼ばれる物質を抑える働きのことです。活性酸素は、細胞を傷つけ、老化を促進したり、病気の原因になるとされています。このため、抗酸化作用のある食べ物を摂取することが、健康や美容の維持に重要だとされています。
麹には、この抗酸化作用が含まれているとされています。実際に、いくつかの研究では、麹菌が生成する成分が抗酸化物質を含み、体内での酸化を抑制する効果があることが示唆されています。特に、麹に含まれる「ポリフェノール」や「ペプチド」などの成分が、強い抗酸化作用を持っているとされています。
これらの抗酸化作用は、麹に含まれる様々な成分によってもたらされます。次のセクションでは、その具体的な成分について詳しく見ていきましょう。
麹に含まれる抗酸化成分の宝庫
麹が持つ抗酸化作用は、主に以下の成分によるものです。
・ポリフェノール
麹には、特に米麹において、ポリフェノールが豊富に含まれています。ポリフェノールは体内で吸収された後、血流を通じて全身に運ばれ、各組織で抗酸化作用を発揮します。特に、皮膚や脳などの酸化ストレスを受けやすい組織で重要な役割を果たします。
強力な抗酸化物質であり、細胞を酸化から守る働きをします。これにより、老化の原因となる酸化ストレスを軽減し、健康的な肌や若々しい体を保つ助けになります。
・ペプチド
麹が発酵過程で生成するペプチドも抗酸化作用を持つ成分として注目されています。ペプチドはアミノ酸が結びついてできた物質で、体内での栄養吸収を助けるほか、抗酸化作用を通じて体を守る役割を果たします。これにより、麹は単なる発酵食品にとどまらず、抗酸化のサポートをする食品でもあるのです。
・ビタミンB群 麹にはビタミンB群も豊富に含まれており、これらも抗酸化作用をサポートします。ビタミンB群は、体内のエネルギー代謝に関与し、疲れにくい体を作るとともに、細胞のダメージを抑える効果があると言われています。
↓ビタミンB群が不足していると現れる可能性があると言われている症状です
- 疲労感が抜けない
- 寝ても疲れが取れない
- 集中力が継続できない
- 肩こりが治らない
- 口内炎ができる
- 肌荒れ
- 風をひきやすくなる
- 体重増加
ビタミンB群は水溶性ビタミンなので、一度にたくさん摂取しても尿中に排泄されるため、毎日コンスタントに摂取することが望ましいので、麹はピッタリですね。
2021年の研究では、麹由来の抗酸化物質が通常の抗酸化剤と比較して約30%高い活性を示すことが報告されています。
科学が裏付ける麹のアンチエイジング効果
アンチエイジング効果とは、老化を遅らせるためのさまざまなアプローチを指します。麹は、その抗酸化作用を通じて、老化を引き起こす酸化ストレスを軽減し、肌や体の老化を防ぐ効果があるとされています。
肌の若返り
麹に含まれるポリフェノールやペプチドは、肌の細胞を保護し、抗酸化作用によって肌の老化を遅らせます。特に、肌のコラーゲンやエラスチンの生成を促進する効果があり、これらは肌の弾力やハリを保つために欠かせない成分です。麹を使った美容液やスキンケア製品も登場しており、肌に直接的に働きかける効果があります。
麹パック:米麹に少量の水を加えてペースト状にし、顔に塗布。15分後に洗い流すことで、肌に潤いを与え、くすみを改善してくれます。(※あわない方もいらっしゃるかもしれないのでパッチテスト後をオススメします)
1、保湿効果
米麹に含まれるアミノ酸やペプチドは、肌の潤いを保つために重要な成分です。乾燥肌に悩んでいる方にとっては、米麹を摂取することで肌の保湿力が高まると感じることができます。
2、美白効
米麹には美白効果があるとされる成分(例えば、コウジ酸)が含まれており、肌のシミやくすみを改善する効果が期待されます。特に甘酒などで摂取すると、内側から肌をきれいに保つ手助けをしてくれると言われています。
3、アンチエイジング効果
米麹に含まれる抗酸化物質やアミノ酸が、老化の原因となる活性酸素を抑制し、肌のターンオーバーを助けてくれるため、エイジングケアに役立つとされています。

(Aさん40代女)
麹を毎日の食事に取り入れて3か月後、肌の張りが増し、くすみが改善されたと実感しています。
腸内環境の改善
腸内環境は、健康や美肌に大きな影響を与えることが分かっています。麹は発酵食品であり、腸内フローラを整える作用があります。腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を改善することで、体内の毒素の排出がスムーズになり、肌の調子が良くなることが期待されます。

(60代女性)
ひどい便秘で困っていたけど、いまでは下剤なしでもスッキリ!
トイレの心配なしで出掛けれて有難いわぁ。

(50代男性)
食後の重さがなくなって助かってる。血圧も安定してきて万々歳だよ。
免疫力の向上
麹の発酵過程で生成される成分には、免疫力を高める働きがあるとされています。免疫力が高まることで、細胞の老化を引き起こすウイルスや細菌から体を守り、健康な状態を保つことができます。免疫力が低下すると、病気だけでなく、肌の老化や体の不調も引き起こしやすくなりますが、麹の摂取によってそのリスクを減らすことができるかもしれません。

(40代男性)
健康的な食事を取り入れることで気分が安定しますし、疲れにくくなりましたし、仕事がハードな時も疲れがとれやすくなりました。
日常生活への取り入れ方
麹は、発酵食品として手軽に摂取することができます。例えば、甘酒を飲んだり、麹を使った調味料を料理に取り入れたりすることで、日常的に麹を摂取できます。
私は毎日のお味噌汁に、お出汁にプラスまたは代用として塩麹や玉ねぎ麹を入れたり、納豆のたれの代わりに醤油麹を入れたりしています。手軽に摂れるのでオススメです。
また、麹を使ったスキンケア製品も多く、肌に直接塗ることでその効果を得ることもできます。
しかし、麹を摂取する際には注意が必要です。麹は発酵食品であるため、過剰に摂取すると消化不良や胃腸の不快感を引き起こすことがあります。適量を守って摂取することが大切です。(米麹の甘酒の目安量は100~200㎖程コップ1杯がカロリー的にもちょうど良いとされています)
簡単、麹甘酒レシピ:米麹100gに60℃のお湯200mlを加え、保温容器で6~8時間発酵させるだけで、栄養豊富な甘酒が完成します。
甘麹レシピ
材料: 米麹(乾燥または生麹)… 200g 水…250ml〜300ml(お好みで調整)
作り方
- 米麹をほぐす 乾燥麹を使う場合は、事前にほぐしておくと均一に発酵しやすくなります
- 水と米麹を混ぜる 炊飯器、ヨーグルトメーカー、または発酵容器に米麹と水を入れよく混ぜます。
- 60℃で発酵させる炊飯器の場合:「保温」モードにし、フタを少し開けて温度が上がりすぎないようにします。(布巾などをかぶせるとよい)ヨーグルトメーカーの場合:設定温度を60℃にし、8〜10時間発酵させます。発酵器がない場合:湯煎を使い、60℃を保つように調整します。
- 時々かき混ぜる 2〜3時間ごとに混ぜて、ムラなく発酵させます。
- 発酵完了(8~10時間) 甘く、とろりとした状態になれば完成です。発酵が進むとより甘みが増します。
- 保存 清潔な保存容器に入れ、冷蔵庫で保存(約1週間)。冷凍すると1か月ほど保存可能




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