孫とのお出掛け

雨でも楽しめる!孫と過ごした名古屋市市電地下鉄・レトロでんしゃ館の思い出

孫とのお出掛け

孫娘とのお出掛けを前に、最初は夏らしい水辺の遊び場を考えていました。娘と「近くの川で水遊びをさせる?それともプールか?公園か?」と何度も話し合い、わくわくしながらプランを練っていました。

しかし、当日近づくにつれ天気予報は冷たい雨マーク。外遊びがかなわないとわかり、一瞬がっかりしたのを覚えています。そんな中、ふと娘が「ここならどう?」と画面を見せてくれたのが日進の『レトロでんしゃ館』でした。

普段はあまり電車に興味のない孫娘が楽しめるだろうかと少し不安でしたが、訪れてみると、その空間にすっかりと心を奪われていることに。あいにくの雨が、思いがけず素敵な思い出に変わった瞬間でした。

レトロでんしゃ館とは

日進市に位置する「レトロでんしゃ館」は、市電や地下鉄車両の保存・展示を通して街の交通と人々の生活に触れられる体験型の博物館です。ここには実際に名古屋を駆け抜けてきた歴史ある各種車両が当時のままの姿で並び、古き良きを漂わせる空間となっています。

さらに、館内には運転シミュレーターや資料展示コーナーも充実。単なる“見学”を超え、「体感し、学び、次世代へつなぐ」役割を果たしています。親世代や祖父母にはなつかしさを、子どもたちには新期~後期まで実際に市民を運んだ市電・地下鉄が圧倒的な存在感で展示され、内部に立ち入ったり古めかしい運転台の感触を体験したりすることができます。

当時最新鋭だった設備や、デザインに込められた時代しい驚きと発見を与えてくれるため、世代や鉄道ファン・非ファンを問わず幅広い来館者に人気です。

屋内型なので天候に左右されずお出かけ可能なのも嬉しいポイント。まさに当日の私たちのように「雨が降ったらレトロでんしゃ館、晴れたら○○」と、お出掛け先候補に入れておくことをおすすめします。

知識を超えた体験型レトロでんしゃ館の魅力

入館してすぐ目に飛び込んだのは、かわいらしいミニチュアの電車が走る展示スペース。この小さな電車の発車ボタンを孫娘が自分で押せる体験が用意されていて、彼女は何度も何度も繰り返し並んでいました。その無邪気な様子に、電車への興味は思いのほか深いことに気づかされました。

私も子どもの頃、実家の近くの路面電車を見て胸を躍らせた記憶が甦り、孫との共通の懐かしみを感じる場面でもありました。回を重ねるごとに、ミニチュアが徐々に速く走ったり、停車したりする仕組みにも目を輝かせていました。

館内の保存車両エリアに入ると、一気に昭和の空気が漂います。年代物の市電や地下鉄が並び、その時代の木製の座席やメタリックな部分を実際に触って感じられるのが特に印象的でした。孫娘は古めかしい運転席に座って目を大きくし、まるで自分が運転手になったかのようにハンドルを握っていました。私自身も、子どもの頃に親と乗った市電を思い出し、懐かしさで胸が熱くなりました。

世代を超えて楽しめる仕掛け

館内には鉄道資料や制服、記念きっぷなど貴重なコレクションが世代ごとに丁寧に展示されています。「この黄色い車両、昔よく見ていたな」と思い出話を振ると、「私は知らない」と娘。街の移り変わりと共に、自分の中の“当たり前”も過去のものとなっていたことに、ふと気付かされる時間となりました。自分が乗ったことのある車両で遊ぶ孫を見るのは、何とも不思議な心地です。

展示の合間にはイベントスペースやワークショップコーナーも設けられていて、テーマにあわせた学びや鉄道スタンプラリーなど、期間限定の特別企画も随時開催されています。ゴールデンウィークや夏休みには乗務員体験、鉄道模型運転会、クリスマスにはデコレーションや限定グッズの登場など、何度訪れても“初めて”の刺激に満ちているのもリピーターが多い理由です。

展示車両と運転シミュレーターの見どころ

館内最大の見どころは、何と言っても保存展示されている実物車両です。1950年代に活躍した市電や、時代を象徴する地下鉄車両が美しい状態で並びます。車内への立ち入りや座席体験も可能で、本物の運転台に座れるのは子どもだけでなく大人にも大人気。

また、リアルな地下鉄運転シミュレーターは本格派で、実際の運転士気分を味わえます。子ども向けのミニシミュレーターもあり、親子で楽しくチャレンジできます。展示解説や記念撮影スポットも豊富で、写真映えする思い出をいっぱい残せます。

特別アイテムも手に入る!オリジナルグッズの魅力

レトロでんしゃ館は、家族連れにも大変人気のスポットです。豊富な体験型展示に加え、特別イベントやワークショップも随時開催されています。たとえば夏休みやゴールデンウィークは、乗務員体験イベントやスタンプラリーが大人気。クリスマスや鉄道の日になると特別装飾や限定グッズ販売も登場します。

訪問時に立ち寄った館内ショップでは、懐かしい市電や地下鉄をモチーフにした文房具やキーホルダー、そして精巧なミニチュア模型が並んでいて、孫も私も目移りしてしまいました。特に限定販売されたタンブラーを手に入れたことで、あの雨の日の思い出がより特別なものに。

また、スタッフの方から夏休みに行われる乗務員体験イベントの話も聞き、次回は孫と一緒に参加してみたいと話が弾みました。ここでしか買えない限定アイテムはお土産やコレクションにもおすすめです。グッズは入れ替わることもあるので、公式案内をこまめに確認してみてくださいね。

私たちが行った日は、限定1000個のタンブラーの売り出しの初日でした。娘が迷っている中スタッフさんに「人気あるんですか?」と問いかけると「今日は雨だったからか並ばれていませんでした」と。こうして私たちは1/500個ずつを持ち帰ることになりました下の写真コチラが思い出の品です。

アクセス・営業時間・入館料金

名古屋市営地下鉄鶴舞線「赤池」駅下車(2番出入口)徒歩7分に位置します。台数は少ないですが無料駐車場も用意されているため車での来館も安心。
【開館時間】午前10時から午後4時まで(入場無料)
【休館日】毎週水曜日(水曜日が休日の場合はその直後の平日)、年末年始(12/29~1/3)その他、状況によって臨時休館する場合があります。

他の鉄道施設とは違う、「名古屋の交通史」との距離感

レトロでんしゃ館のユニークさは、“名古屋の市電と地下鉄”に完全特化した展示構成。新幹線や全国の名列車をメインにする大規模鉄道博物館と異なり、地域交通の歴史や市民目線の暮らしに根ざした視点で、成長する都市と鉄道のつながりを掘り下げて学ぶことができます。

交通資料も圧巻のボリュームで、どんな人々がどんな思いで電車を利用してきたのか、社会・経済・文化の変遷まで想像を広げることができるはずです。

体験型の運転シミュレーターや資料展示も豊富で、単なる展示だけにとどまらず、名古屋のまちづくりや交通の発展にも触れることができます。他地域の鉄道博物館とは一線を画す、名古屋の都市交通に特化した学びと発見にあふれています。

 

古きも新しきも知る 名古屋の交通遺産の“再発見”

名古屋市の市電と地下鉄が果たした役割

明治期に誕生した市電は、昭和戦後の成長を支え長らく人々を運び続けました。市電の全廃後は地下鉄がバトンを受け継ぎ、現代の名古屋の基幹輸送として圧倒的な存在感を放っています。開業当時わずか15円だった地下鉄運賃が現代では210円に。時代の移ろいが、こんな細かなところにも感じ取れるのは歴史資料館ならではの醍醐味でしょう。

車両だけでなく、信号機、昔の時刻表や切符など、一般公開されているコレクションは枚挙にいとまがありません。見学ツアーやスタッフによる解説会に参加すれば、知らない時代が身近に感じられ、“鉄道の進化”がいかに都市を形づくってきたのか、今まで気付かなかった街の物語を聞くことができます。

地域とともに発展し続ける「でんしゃ館」のこれから

レトロでんしゃ館は2000年、市民・行政・交通局の協力でオープンしました。以来、教育現場とコラボした学習プログラムや、ユニバーサルデザインを徹底した館内案内など、来る者全てに快適な体験を提供し続けています。

近年はバーチャル展示やSNSを通じた新たな情報発信、若い世代向けのエンタメ性ある催しと、進化の歩みも止まりません。名古屋の交通の歴史と地域文化を後世に伝える役割を持ち続けるこの場所は、ただの“乗り物ミュージアム”ではなく、親から子へ、孫へと世代を超えて記憶を受け継ぐ、そんな“市民の時間旅行装置”なのです。

おわりに

レトロでんしゃ館は、雨の日だから選んだ代替プランで立ち寄りましたが、今後も私たちの“お気に入りお出かけリスト”の常連に。正直に言うと、孫娘は普段電車に熱中するタイプではありません。しかしレトロでんしゃ館では、どんな子どもでも探検心を刺激されるようで、彼女の瞳が輝く姿を何度も見られました。

大人にとっては懐かしく、子どもには新しい発見に満ちた空間がここにはあります。雨の日に偶然行ったこの場所が、家族の”秘密基地”のような特別な場所になったのは、まさに体験を通じて感じた温かな繋がりのおかげだと思います。これからも季節ごとの変化を楽しみながら孫との思い出を増やしていきたいです。

きっとここには、親子三代をつなぎ世代を超えて語り継がれていく、あたたかな思い出がたくさん生まれるに違いありません。次回はぜひ、あなたも乗客のひとりとしてこの“小さなタイムカプセル”に足を踏み入れてみてください。歴史も何もわからない孫も引き込まれる何かがここにはあるようです。

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